生涯を足利で過ごした書家で詩人の相田みつを(1924~1991)生誕100年記念 ふるさと展が足利市内で開催中です。
10年ぶりの故郷でのふるさと展は過去最大規模の展覧会となり、足利市立美術館、史跡足利学校、足利商工会議所、足利のわかりやすい歴史館(足利まちなか遊学館)で、代表作「にんげんだもの」などの書やろうけつ染、約160点が展示されています。
また、相田みつを さんの詩と足利銘仙がデザインされた「円形うちわ」(3万枚)の配布や、市内店舗所蔵の、みつをさんの手掛けた「暖簾(のれん)」などが展示されています。
本記事では、生誕100年 相田みつを展 -いのちを見つめることば- で展示された貴重な作品の一部を【保存版】としてアーカイブします。
まちのなかは、相田みつを作品でいっぱい! どうぞみなさんも、相田みつを のふるさと足利へお出かけください。
目次
【生誕100年記念 相田みつを ふるさと展】
相田みつを生誕100年記念事業実行委員会
* 開催期間:令和6年(2024)7月13日(土)~9月1日(日)
展覧会場所 | 期間・関連プログラム |
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足利市立美術館 (〒 326-0814 足利市通2丁目14-7 Tel 0284-43-3133) 開館30周年記念 「生誕100年相田みつを展」 |
2024年7月13日(土)~9月1日(日)
相田一人氏によるオープニングトーク 学芸員による鑑賞ワークショップ 10:00~18:00(入館は17:30まで) |
史跡 足利学校 (足利市昌平町2338 Tel 0284-41-2661) 「相田みつをと足利学校」 |
2024年7月13日(土)~9月1日(日)
~ ギャラリートーク(展示解説)~
|
足利商工会議所 ギャラリー・カッサ (足利市通3丁目2757 Tel0284-21-1354) 「相田みつを ふるさと展」 |
2024年7月13日(土)~9月1日(日)
午前10時~午後5時まで 観覧無料 |
足利のわかりやすい歴史館 (足利まちなか遊学館) (足利市通1丁目2673 Tel 0284-41-8201) 「相田みつを 市民所蔵作品展) |
2024年7月13日(土)~9月1日(日)
午前9時~7午後5時まで 観覧無料 |
<足利市立美術館:いのちを見つめることば>
足利市立美術館
<足利市立美術館:基本情報>
所在地 | 〒 326-0814 足利市通2丁目14-7 |
---|---|
電話番号 (FAX) |
Tel 0284-43-3133 Fax 0284-43-3133 |
開館時間 | 午前10時~午後6時 (入館は午後5時30分まで) |
休館日 | 月曜日/週 (7月15日、8月12日をのぞく) 7月16日(火)、8月13日(火) |
入館料 | 一般:1,000円(団体 800円) 大学・高校生800円(団体 640円) 中学生以下無料 (団体:20名以上) |
ホームページ | http://www.watv.ne.jp/ashi-bi/ |
アクセス | JR両毛線 足利駅:徒歩 10分 東武伊勢崎線足利市駅:徒歩 10分 バス:足利市生活路線バス「美術館前」下車 北関東自動車道足利IC:20分 〃太田・桐生Ic:20分 東北自動車道佐野藤岡IC:40分 |
備考 | 各種障がい者手帳をご持参の方と介護者1名無料 「あしかがいきいきパスポート」、両毛広域都市圏内に お住まいの65歳以上の方は無料。(要:住所、年齢証明) 第3日曜日「家庭の日」(7月21日、8月18日)は、 中学生以下のお子さま同伴家族は無料。 プロジェクト永年オーナー、10年オーナー無料、 5年オーナーは団体料金(要:オーナー証提示) |
駐車場 | 美術館前駐車場 美術館通り駐車場(徒歩1分) 美術館駐車場(徒歩2分) 通2丁目多目的広場(徒歩3分) 太平記館観光駐車場(徒歩7分) |
<足利市立美術館:特別展示・市民所蔵作品展>
- 掲載するすべての写真は、2024.7.18 足利市立美術館より、掲載許諾済みです。
- <特別展示>:相田みつを 市民所蔵作品展(観覧無料)他の展示室は所定の観覧料が必要です。
『草野心平の詩に』Shinpei Kusano once wrote in a poem
1950年頃 ろうけつ染
相田みつをゆかりの店 めん割烹なか川 蔵
『えさをまかなければ』if you don’t spread bait
ろうけつ染
紙本墨書
相田みつをゆかりの店 めん割烹なか川 蔵
『夢』YUME(dream)
1955年 ろうけつ染
相田みつをゆかりの店 めん割烹なか川 蔵
『第一立花(蕎麦)』
『公運動包装紙』wrapping paper of Koundo
1960年頃
ろうけつ染
香雲堂本店 蔵
香雲堂本店 蔵
『開』KAI(open)
1970年
ろうけつ染
個人蔵
『和顔愛語』WAGENAIGO(gentle in countenance and loving in speech)
1970年代前半
紙本墨書
個人蔵
<史跡 足利学校:相田みつをと足利学校>
* 掲載するすべての写真は、2024.7.18 史跡足利学校事務所より、掲載許諾済みです。
<史跡 足利学校:基本情報>
所在地 | 〒 326-0813 足利市昌平町2338番地 |
---|---|
電話番号 (Fax) |
Tel 0284-41-2661 Fax 0284-41-2082 |
参観時間 | 午前9時~午後5時 (受付は閉館の30分前まで) |
休館日 | 2024年7月17日(水) 8月21日(水) |
参観料 | 一般:480円 高校生:240円 小中学生120円 |
ホームページ | https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/education/000031/index.html |
アクセス | JR両毛線 足利駅:徒歩10分 東武伊勢崎線足利市駅:徒歩 15分 バス:足利市生活路線バス「足利学校東」「通一丁目」下車 北関東自動車道足利IC:15分 〃太田・桐生Ic:25分 東北自動車道佐野藤岡IC:35分 |
備考 | 未就学児無料、障がい者手帳をご持参の方と介護者1名無料 |
駐車場 (無料) |
史跡足利学校多目的駐車場(乗用車8台) 太平記館観光駐車場(乗用車40台 バス10台 予約なし) 通2丁目多目的広場(乗車39台:3時間まで) |
<相田みつをと足利:足利学校に関連する資料を紹介>
<相田みつをプロフィール>
<相田みつをが書いた足利学校関連作品>
作品名 | 種別 | 作者名 | 制作年 | 所蔵者 |
---|---|---|---|---|
歩 | 書 | 相田みつを | 1966年 | 個人 蔵 |
不易 | 書 | 相田みつを | 1960年頃 | 個人 蔵 |
禄壽應穏 | ろうけつ染 | 相田みつを | 1958年 | 香雲堂本店 像 |
大成殿 | 書 | 相田みつを | 1965年 | 個人 蔵 |
春眠暁を覚えず | ろうけつ染 | 相田みつを | 1960年頃 | 相田みつをゆかりの店めん割烹なか川 蔵 |
<相田みつをと足利>
作品名 | 種別・作者名 | 年代・制作年 | 所蔵者 |
---|---|---|---|
相田みつをが通った頃の東小学校 | 写真 | 昭和初期 | 史跡足利学校 蔵 |
遺蹟図書館内閲覧室の様子 | 写真 | 昭和前半 | 史跡足利学校 蔵 |
緑陰図書館の様子 | 写真 | 昭和後期 | 史跡足利学校 蔵 |
足中第17回卒同窓会の写真 | 写真 | 1987年 | 個人 蔵 |
めぐりあい(複製) | 書・相田みつを | 個人 蔵 | |
雨の日には雨の中を風の日には風の中を(相田みつを直筆サイン入り) | 書籍・相田みつを | 1981年 | 個人 蔵 |
現在かやぶき屋根の建物が建つ場所には、相田みつをが通った足利市立東小学校がありました。市立図書館でもあった足利学校遺蹟図書館は、相田みつををはじめ多くの市民が利用していました。
足利学校遺蹟図書館 アーカイブ写真説明より引用
『めぐりあい』(複製) 書 個人 蔵
<相田みつを:武井哲應老師と国宝『宋刊本文選』>
* 高福寺の詳細は、足利まちなか寺院:高福寺・法玄寺・三宝院の御案内を御覧ください。
<相田みつをに影響をあたえた武井哲應老師>
相田みつをは、しないの高福寺住職の武井哲應老師が開く円融会に参加し、多くのことばを学びました。ここでは、足利学校が所蔵する武井哲應の資料を紹介します。史跡足利学校 遺蹟図書館より引用
武井哲應の書は、方丈・庫裡展示室に展示されています。
『華蔵浄厳』(けぞうじょうごん)武井哲應著 昭和62年(1987)
- 12世紀 中国南宋時代
- 二十一冊
- 金澤文庫旧蔵本
国宝 宋刊本 文選 [複製]中国の春秋(しゅんじゅう)から、梁(りょう)時代までの代表的な詩文をまとめた詩集です。
永禄3年(1560)に、小田原城主 北条氏政が、九華の学識に敬意をあらわし贈ったものです。
<足利学校:今読んでほしい相田みつをのことば>
足利学校「方丈」に展示されている詩です。
<足利商工会議所ギャラリー・カッサ:相田みつを ふるさと展>
* 掲載するすべての写真は、2024.7.18 足利商工会議所より、掲載許諾済みです。
<足利商工会議所ギャラリー・カッサ:基本情報>
所在地 | 〒 326-8502 足利市通3丁目2757 |
---|---|
電話番号 (Fax) |
Tel 0284-21-1354 Fax 0284-21-6294 |
開館時間 | 午前10時~午後5時 |
休館日 | 年中無休 |
参観料 | 無料 |
ホームページ | https://ashikaga.info/ |
アクセス | JR両毛線 足利駅:徒歩11分 東武伊勢崎線足利市駅:徒歩 10分 北関東自動車道足利IC:14分 〃太田・桐生Ic:20分 東北自動車道佐野藤岡IC:40分 |
駐車場 (無料) |
会館南側 乗用車約70~100台 |
<生誕100年記念事業:相田みつを ふるさと展>
<足利まちなか遊学館:相田みつを 市民所蔵作品展>
* 掲載するすべての写真は、2024.7.18 足利のわかりやすい歴史館(足利まちなか遊学館)事務所より、掲載許諾済みです。
所在地 | 〒 326-0814 足利市通1丁目2673 |
---|---|
電話番号 | Tel 0284-41-8201 |
開館時間 | 午前9時~午後5時 |
休館日 | 第3水曜日(祝日の場合はその翌日) 年末年始 足利学校の休館日に連動する場合がある |
参観料 | 無料 |
ホームページ | https://www.ashikaga-kankou.jp/spot/machinaka_yuugakukan |
アクセス | JR両毛線 足利駅:徒歩5分 東武伊勢崎線足利市駅:徒歩 10分 北関東自動車道足利IC:15分 〃太田・桐生Ic:30分 東北自動車道佐野藤岡IC:30分 |
駐車場 (無料) |
建物裏(北)側に数台 太平記館観光駐車場 |
<足利のわかりやすい歴史館(足利まちなか遊学館):市民所蔵作品特別展示>
館内の一角に設けられた「相田みつを」DVD視聴コーナーです。
涼しい館内で、まず相田みつをさんについてのDVDを鑑賞し、それぞれの展示会場を訪問すると、よりいっそう作品の心髄にふれることができます。
* 相田みつをの世界「ことばのひみつ」全2巻セット:1 ~詩がうまれるまで~ 2 ~書がかかれるまで~足利市立美術館売店で販売中!
『夢』暖簾(のれん)ろうけつ染 1950年代 めん割烹なか川 蔵
【相田みつを ふるさと展:ゆかりの店訪問】
* 掲載するすべての画像は、2024.7.24現在、各店から掲載許諾済みです。
<店内の名作を訪ねて>
店舗・会名名 | 種 別 | 所在地 |
---|---|---|
めん割烹なか川 | そば 日本料理 居酒屋 | 〒326-0814 足利市通2-2659 ☎ 0284-41-2322 |
香雲堂本店 | 菓子店 | 〒326-0814 足利市通4-2570 ☎ 0284-21-4964 |
第一立花 | そば うどん | 〒326-0814 足利市通6丁目3222 ☎ 0284-22-0505 |
日東産業株式会社 | ソース | (〒326-0003 足利市名草下町1-2-1 足利インター・ビジネスパーク内* お求めは「太平記館」「あしナビ」などで。 ☎ 0284-41-3348 |
虎虎本店 | 菓子店 | 〒326-0833 足利市藤本町118-7 ☎ 0284-22-30554 |
虎蔵 | 菓子・カフェ | 〒326-0067 足利市江川町1丁目17-17 ☎ 0284-22-4328 |
<相田みつを ふるさと展・協力店:めん割烹なか川>
めん割烹なか川は、戦後まもない時期に旅館として創業。相田みつをさんは活動初期から、店の看板、部屋札、暖簾、座布団、手ぬぐいなどの制作・デザインを手掛けました。
昭和59年(1984)に現在の「めん割烹なか川」に転じた後も、みつをさんの最晩年まで4代にわたる交流がなされました。
<めん割烹なか川前「大門通り」周辺の観光スポット>
めん割烹なか川の前の大門通り右折(東)すると史跡 足利学校へ、左折(西)すると八雲神社、えんま堂、北に直進すると左手側(西)にFM DAMONOのサテライトスタジオ、突き当たりに国宝 鑁阿寺があります。
それぞれの詳細は、下のリンクを御利用ください。
- 足利学校:松竹梅の伝説:現代版仮名振り松の回答と足利学校【徹底ガイド】
- 八雲神社:『渡良瀬橋』の歌と7つの「八雲神社」巡り
- えんま堂:利性院(えんま堂):地元足利から御紹介「歴史と伝説の散歩道」
- 足利FM局:FM DAMONO:特色と5つの駐車場からスタジオまでのルート【画像案内】
- 鑁阿寺:国宝 鑁阿寺:地元足利から御紹介「歴史と伝説の散歩道」
<相田みつを ふるさと展・協力店:香雲堂本店>
香雲堂本店は、明治元年(1868)年創業。足利ゆかりの古印・落款に因んだ「古印最中」で知られています。
相田みつをさんとは、活動初期から深く関わりのある老舗で、店の看板、包装紙、栞などが制作されています。
店内には、相田みつをさんの写真など、貴重な資料がたくさん展示してあります。
織姫神社の詳細は、足利織姫神社と織姫公園:大切な人と行きたい<縁結び>を御覧ください。
<相田みつを ふるさと展・協力店:第一立花>
第一立花は、明治12年(1880)創業の足利で現存する2番目に古い飲食店です。
相田家とは縁戚関係もあり、活動初期から交流を重ねていました。
『そば』暖簾 ろうけつ染 相田みつを
作品は額に折りたたんで収納されていますので、実物はもう少し長い暖簾であるとのことです。(店主より)
<相田みつを ふるさと展・協力会社:日東産業(株)>
日東産業株式会社の先代経営者は、相田みつをさんと同い年の幼なじみである縁から、1960年代にラベルデザインを手がけ、現在にいたるまで商品に使われています。
なお、商品は「太平記館」、「あし・ナビ」、「足利市立美術館」などの売店でお求めになれます。
売店の詳細は、下記のリンクを御利用ください。
以下のグーグルマップは、会社の所在地です。
商品のお求めは、最寄りの観光案内売店等の御利用が便利です。
* 商品のお求めは、足利観光案内・お土産「太平記館/あし・ナビ」5施設の御案内を御覧ください。
<相田みつを ふるさと展・協力店:虎谷本店>
虎谷は、昭和13年(1938)創業。相田みつをさんとは、活動初期から店の包装紙、商品の命名などで深く関わり、「人とのめぐり逢い」と「MEET」をかけた「ミートサブレ」は、みつをさんが名づけ、「逢」の字が包装紙に描かれています。
相田みつをさんの心が通う『逢』という書が展示されています。
この『逢』ということばには、「会う」ということばには無い、親しみのこもった心が感じとれます。
みつをさんの書く「しんにょう」は、人生を、そして『逢』は「迎える」という意味をもっています。
店内のギャラリーで、貴重な作品を見つけました。
みつをさんの落款(らっかん)はありませんが、先代がたたんで保管していたという『めぐりあい』の書です。
店主のお話によると、先代がこの作品をいただいた時に、「めぐりあいますように」という文字を漢字の「逢い」にしてほしい、と頼んだそうです。
相田みつをさんの作品を所蔵している店舗には、ミュージアムでは出逢えない貴重な逸話が満載です。
完成した作品は、最後の一文が「めぐり逢いますように」と「逢」の字に変更されていることがわかります。
参考:比較作品 ギャラリー・カッサ「めぐりあい」
筆者いち推しの「巨石せんべい」は足利の銘菓で、お土産としても最高です。
<相田みつを ふるさと展・協力店:虎蔵>
虎谷本店の兄弟店「虎蔵(TRAZO)」は、虎谷の名菓販売と喫茶店を営んでいます。
店主のお話では、「相田みつを さんの作品を全部展覧会に出品するとお店がさびしくなるので・・・」ということで、『ひたすら』の作品は店内に展示したままにしたそうです。
所蔵者の店を訪問することで、こちらでも貴重な作品を拝見することができました。
【相田みつを ふるさと展:まとめ】
足利市立美術館には、相田みつを さんの119作品が展示されています。
その内、相田みつを美術館所蔵作品の他に、足利市内の店舗、会社、個人が所蔵する作品が一堂に会することとなり、過去最大級のふるさと展となったことはたいへん喜ばしいことです。
また、教科書にも掲載されている相田みつをさんの作品を「子どもたちにも、ぜひ鑑賞してほしい」という早川尚秀市長の働きかけもあり、夏休みを中心に展覧会が開催されたことは誠に有意義であると感じています。
最後になりましたが、作品撮影のお許しをいただいた各施設及び各店主のみなさまに御礼申し上げます。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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