野菜サラダに入れて、一度食べたら忘れられない食感!
はじめは、そうめんカボチャって、何だろうと思いますよね。
「まして育て方となると、いまいち分からない!」
という貴方といっしょに、そうめんカボチャ(別名:金糸うり)の種まきから収穫までの作業をリアルタイムで実践し、発信します。
(以下、<そうめん(金糸)カボチャ>と記します)
(市販の苗を購入される方は、<苗の定植>から御覧いただければ幸いです)
たしかに、ネットで調べたり、本を読んだりしても、なかなか分からないことも多いですよね。
そこで、当コンテンツでは、栽培しながら生じる疑問や質問などについて、みんなで解決する場になることを目指します。
そして、あなたも、収穫の喜びを実感することになるはずです。
さあ、お子さんといっしょに、自由研究の感覚で、楽しく気楽にチャレンジしてみましょうね。
子どもたちといっしょに、38年間、自然観察や農園芸などの環境教育活動に携わってきました。
本稿では農家の知識と技術を家庭菜園向きに応用し基本的な「野菜の育て方」について解説いたします。
【クイズ】 同じ場所に5年以上植えるべきではない野菜は次のうちどれでしょう?
- はくさい
- ホウレンソウ
- カボチャ
- ゴボウ
* 正解は、最後のページを御覧ください。
目次
【そうめん(金糸)カボチャの種】
✩ ゆでると果肉がそうめんみたい ✩
[品種名] :そうめんカボチャ 金糸うり
美咲®シリーズ 921170
サカタのタネ
- [科・属名]:ウリ科 カボチャ属
- [原産地] :北アメリカ
- [生産地] :アメリカ
特 徴
ズッキーニなどと同じペポカボチャの仲間です。果実は黄色の俵型で、20cm前後になります。
輪切りにしてゆでると、果肉がそうめんのようにほぐれます。
ペポカボチャ:「カボチャのランタン」ハロインと関連した用語。
<おうめん(金糸)カボチャの特性>
まき時:暖かい地域 | 2~5月 |
---|---|
:寒い地域 | 4~5月 |
収穫の目安 | 開花後約40日、果実が灰白色から黄色に変わったころが収穫適期になります。味は淡白なので酢じょうゆ、マヨネーズなどお好みのドレッシングをかけて食べます。 |
数量 | 13mℓ(約43粒) |
発芽率 | 80%以上 |
発芽での日数 | 5~7日 |
発芽適温(地温) | 25~30℃ |
生育適温 | 25~30℃ |
【そうめん(金糸)カボチャ栽培場所の準備】
ゴーヤなどと同じく、定温だと発芽しません。
種をまいたポットは、ビニールでおおい、夜はコモをかけて保温します。
発芽後は、日中ビニールを少し開けて換気します。
そうめんカボチャの品種は、特にないようです。
非常に強健で、育てやすい野菜ですが、水がたまるような場所は避けましょう。
● 定植場所の準備:定植1周間以上前
場所 | 肥料等 | 分 量 | 耕 耘 |
---|---|---|---|
全面 1㎡ |
苦土石灰 | 2振り | よく耕す |
〃 | 堆肥 | バケツ 3杯 |
〃 |
〃 | 化成肥料 | 1握り | 〃 |
* 1振り:約40g 1握り:約50g
バケツ1:約1kg
連作障害と輪作栽培の方法は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!
1 ⑷ <輪作栽培>(例)を御覧ください。
【そうめん(金糸)カボチャの種まき】
<種まきの準備>
<種の詰め替え>
乾燥剤を入れた袋に種を詰め替える
種をパッケージから取り出し、乾燥剤を入れた密閉できる袋に移しかえます。
(乾燥剤は、サプリメントなどに入っていたものを 捨てずにとっておくと再利用できます)
種を移しかえることで、1回目にまく種の数が把握できます。
例えばキュウリなどは、種まき時期をずらし、3~4回に分けて栽培すると、長い期間果実を収穫することができます。
また、1回目の発芽に失敗したときのためにも、一度に全量をまくことは、おすすめしません。
特に、ゴーヤ、オクラなどの高温を好む野菜は、発芽温度に注意を要します。
そして、余った種は、乾燥剤入りの密閉できる袋に保管することで、発芽率は劣りますが、
次年度にまくことも可能です。
<種の前処理>
活力液をつけた種
種をまく前日に、種を活力液(HB-101)に浸します。
希釈:千倍~十万倍(1ℓの水に、1~2滴。
私は、活力剤と言わない理由は、以下のとおりです。
HB-101は、杉、檜、オオバコの抽出液100%であり、それ以外の原材料が一切使わず、化学処理もしていない天然の成分だからです。
✩ 森林浴をしているようないい香り ✩
私は30数年、HB-101を野菜栽培やガーデニングのあらゆる場面において愛用しています。
● 種、根、挿木をうすめた液につけます。
分類 | 種、根、挿木を浸ける時間 |
---|---|
豆類 | 10秒 |
破砕類 | 3時間 |
花、果菜類 | 12時間 |
米の種もみ | 12時間以上 |
根、挿木 | 1分~12時間 |
球根類、種いも | 1分~30分 |
最初は、ネーミングからして、
なんだか化学薬品のように思えましたが、天然100%でした。
また、分量に対して値段が高く感じられましたが、とにかく植物がとても元気になることはもとより、希釈倍率が高いことからも、たいへんお得です。
<苗床の準備>
日当たりの良い、庭の片隅に苗床を準備します。
以下に、苗床をつくる作業をまとめます。
手順 | 作業内容 | 備 考 |
---|---|---|
1 | 苗床の場所を決める。 | 日当たりと、排水のの良いところ。 |
2 | 草や大きな石を拾う。 | 苗箱が置けるように。 |
3 | 排水を良くするため、かるく耕す。 | 表面の釣をスコップなどでほぐす。(石を拾う) |
4 | 地面が平らになるように整地する。 | レーキや板などを使い、土の表面をならす。 |
5 | 支柱を立てる。 | 弾力性のある支柱をアーチ状に立てる。 |
6 | ビニールをかける。 | 発芽の適温が十分でない場合は、ビニールをかける。
寒冷地は、さらにその上から、コモをかける。 気温が高くなってきたら、白の寒冷紗をかける。 |
* 苗床の表面に、アラヌカやソバガラを敷くと、さらに排水性がよくなります。
* コモは、不要になった毛布などを再利用します。
- < 昼夜の温度管理が大切です>
日中はコモを外します。
苗床を換気するため、ビニールの裾を少し開けます。
夕方になったら、ビニールの裾を閉じ、
コモをかけます。
<種まきポットの準備>
3号(直径9cm)のポリポットに、用土を入れます。
理想的な土は、無肥料の「種まき専用土」です。
なお、ホームセンターでよく見かける培養土に種をまいても、今まで支障はありませんでした。
連結ポットを用いると、用土の無駄がなく場所もとりません。
また、初期成育における土の容積と発根量のバランスが良く、幼苗の成長に適しています。
苗の生長とともに、できれば連結ポットからポリポットに移植して育苗すると、理想的な
苗が得られます。
今回は、手間のかからない3号ポットに、直接種をまきました。
<種まきの方法>
できれば、野菜の種類ごとに、色の異なるポットを使用すると便利です。
まず、ポットに用土を入れ(すりきり)、ポットを両手で持ち、表面の土を両手の親指で
パタパタと押さえながら、2~3度回転させます。
用土を適度に圧縮し、ポットの8分目程度にします。
ポット内の土を圧縮すると、苗の根張りがしっかりと充実します。
ポットの中央に、指で穴を開け(第一関節程度)、種を落とします。
まく種の数は、とりたい苗の数と発芽率を参考にします。
1つのポットに種を複数まくと、発芽後、苗同士が互いに競い合い、結果として成育が促進されます。
後に、最も元気な苗を残して、間引きします。
種の上にかける土の量は、ニンジンなどの好光性の野菜を除き、種の大きさ(種の厚み)の2.5~3倍程度とします。
<そうめん(金糸)カボチャの種まき>
(2022.4.2現在)
ここでは、発芽率がわかりやすいよう、ポットに種を一粒ずつまきました。
【そうめん(金糸)カボチャ苗床の管理】
<苗床にポットを移す>
種まきを終えたポットを種類毎に育苗トレイに入れ、苗床へ移します。
育苗トレイの底には、複数の排水穴が付いています。
ここでは、ポットの転倒防止を目的として育苗トレイを使用しています。
トレイは、水やりの際、底面に水がたまらないものを選びましょう。
また、ポットに野菜のネームプレートを立てておくと定植の際に便利です。
<苗床のビニールを下ろす>
日中の天候によって、苗床内の温度や換気を調節します。
なお、苗床のビニールが新品の場合、苗の日焼けに注意が必要です。
日焼けの心配がある場合は、ビニールの上を白の寒冷紗で覆ってやるといいでしょう。
また、ビニールが強風で飛ばされないよう、ビニールの裾を石などの重しで固定します。
さらに、ビニールの裾を開閉する際に、強めの洗濯バサミ等を支柱に挟んでおくと、裾を任意の場所で固定できるため便利です。
<苗床に、コモをかける>
コモの代わりとして、不要になった毛布をかけました。
野菜の種まき後は、発芽温度に注意します。
できるだけ適温に近づけるようにし、発芽の遅れによる種の腐敗を避けるように
心がけましょう。
<苗床の引っ越し>
(2022.4.4現在)
種まきのタイミングが、良くありませんでした。
種をまいてから2日間、天候が思わしくなく、曇りと雨の日が続いています。
筆者は、野菜栽培の基本を忘れていました。
「常に、天気予報に気を配れ!」でしたね。
また、明日からも曇りの予報が続いています。
今日の気温(日中)は、10℃でした。
そうめん(金糸)カボチャの発芽適温との差がかなり違っています。
コモで覆ったビニール内の苗床とはいえ、温度が足りません。(過信していました)
そこで、ポットを家の中へ移すことにしました。
野菜名 | 発芽適温(地温) | 生育適温 |
---|---|---|
そうめん(金糸) カボチャ |
25~30℃ | 25~30℃ |
室温は、22℃。湿度は60%です。
ポットを入れた部屋は、エアコンがついています。
種をまいた数が少なくてよかったです。
そうです、このようなハプニングのためにも、種は、複数回に分けてまいた方が安全ですね。
今回、失敗することも考えられますが、がっかりすることなく、2回目の種まきに挑戦します。
一日も早く、晴れますように・・・。
<再び苗床にポットを移す>
(20224.5)
午前中、太陽が出てきました。
明日からの天候も、まずまずのようです。
昨日、家の中に取り込んだポットを再び、苗床にもどしました。
ポットが乾き気味でしたので、活力液(HB-101)をジョウロに1滴入れて灌水しました。
こんな日が続くときは、「苦しい時の活力液だのみ!」とばかり、まるで、おまじないのように、欠かさず使用しています。
ビニールを閉じて、苗床内の温度を高めます。
そして、地温が十分になれば、発芽するでしょう。
【そうめん(金糸)カボチャ発芽】
そうめん(金糸)カボチャが発芽し始めました。
きれいな双葉がそろいました。
たいへん元気で力強い双葉です。
昨年収穫したそうめんカボチャの種を箱にまきました。
市販の種に比べて、発芽率が劣るため、箱蒔きにして、発芽した苗をポットに移植します。
2年前に購入した種が余っていたので、ダメもとでまいてみました。
もちろん新しく購入した種よりも発芽率は劣りますが、順調に発芽しました。
余ってしまったタネは、乾燥剤を入れたジップロックで保管しておきましょう。
【そうめん(金糸)カボチャの発芽後の管理】
双葉の間から、本葉が出てきました。
<苗床の管理>
各苗の本葉が展開してくるにつれて、育苗トレイの中が窮屈になってきます。
苗同士の葉が重なり合わないよう、苗の成長とともに、育苗ポットの間隔を徐々に開けてやりましょう。
できるだけ葉が重なり合わないように、育苗ポットの間隔をあけていきましょう。
<玉肥の置肥(追肥)>
本葉が展開し始めたそうめんカボチャ
(2022.4.23)
双葉が少し黄ばんで見えます。
原因は、温度不足、肥料不足、苗床内の蒸れなど、さまざまな要因が考えられます。
とりあえず、苗床内の通気性を図り、置肥して、ようすをみることにしました。
球状の肥料で、ポットの大きさや、植物の状態に応じて、数が調節でき便利です。
また、緩効性であり水やり毎に、少しずつ肥料が溶け出すため、長持ちします。
- 置肥の際に、肥料を埋め込む深さによって、肥料の効き方が異なります。
ポット内に置くだけ
半分埋め込む
全部埋め込む
水やりの際に、土に埋め込むほど、肥料がはやく溶け出します。
<苗の間隔の調整>
(2022.4.27)
苗の葉がさらに展開してくると、苗と苗の葉が重なってしまいます。
苗と苗の葉が重なり合わないように、苗の生長とともに、間隔を広げていきます。
<苗床を寒冷紗に代える>
苗床のビニールの代わりに、今度は、白の寒冷紗を掛けて育苗します。
本葉が元気に展開し始めたころ、寒冷紗に変えることで、通気性を優先し、露地栽培に適した苗を育てることを目指します。
寒冷紗を掛けることで、いわゆる「竹の子梅雨」と言われる天候不純の時期にも、効果的に対応できます。
- 通気性が良い。虫や鳥による食害を予防します。晴天の日:強光や極度の乾燥が避けられます。
曇りの日:保温の効果が得られます。
豪雨の日:雨による苗へのダメージが避けられます。
【そうめん(金糸)カボチャの定植】
そうめんカボチャの本葉が、数枚出てきました。
根も充分に伸びてきた段階で、植え替えが遅れると、ポット内に根が巻き過ぎてしまいます。
<定植場所の準備>
株間 | 1m |
---|---|
うね幅 | 3m |
仕立て方 | 本葉5~6枚で 3本仕立て 以後m放任 |
たい肥(1㎡) | 3kg |
苦土石灰(〃) | 100g |
化成肥料(〃) | 150g |
追肥 | 結実後 |
<定植の方法>
- 定植する場所にマルチを敷く
定植する位置のマルチをカットする。
定植する位置のマルチをカッターで、十文字にカットします。
⑶ 球根植え器を差し込む
十文字にカットしたマルチに、球根植え器を差し込みます。
⑷ 植え穴を開ける
球根植え器を引き抜き、植え穴を開けます。
⑸ 植え穴に水を注ぐ
植え穴に目一杯、水を注ぎ込みます。
また、苗をポットから外す前に、水をあげておきましょう。
ポットから苗を取り出す前に、水をあげておくと土がまとまり、根鉢を崩さずに定植できます。
⑹ 苗を植える
植え穴に押し込む感覚で、苗を植えます。
苗を押し込み過ぎて、深植えにならないようにしましょう。
ツルを伸したい方向に、苗を少し傾けて定植します。
苗を植え終えたら、株元に土を乗せマルチの切り口をふさぎます。(マルチ内の熱風から苗を保護します)
マルチの上は高温になるので、ツルの下に敷きワラ、刈草、モミガラ、土などをかけて保護しましょう。
* スイカやメロンなどの接木苗の場合は、 節僕部分が土に埋まらないよう注意します。
(ヒルガオなどの台木の芽が発生する場合があります)
⑺ 灌水する
灌水して株元の土を落ち着かせ、定植を完了します。
【そうめん(金糸)カボチャの摘芯】
そうめんカボチャの摘芯は、本葉が5~6枚になったら親ヅルの先端を摘みとります。
今後出てきた子ヅルを3本伸し、3本仕立てにします。
【そうめん(金糸)カボチャの誘因】
伸ばしたい方向へツルを誘引します。
できれば、ツル先にワラなどを敷いてやるとベストです。
筆者は、かき菜の枯れ枝を利用しました。
【そうめん(金糸)カボチャの結実】
開花の初期は、雄花が咲き始めます。
やがて、雌花も咲き始めると、間もなく結実します。
【そうめん(金糸)カボチャの収穫と調理法】
そうめんカボチャの収穫の適期は、実の表面の色が白っぽさが無くなり黄色になったころです。
採り遅れると、硬くなってしまい、輪切りにするとき力を要します。
放っておいたそうめんカボチャは、伸び放題の草にも負けず結実しました。
栽培を終えるため、生い茂る草をかき分けると、草陰からなんと20箇も出てきました。
手入れをしなかった分、実の表面は荒れていますが、味には問題ありません。
<調理の方法>
種をくりぬいたそうめんカボチャ
-
そうめんカボチャの調理法
● そうめんカボチャを輪切りにする。
スプーンで種をくりぬく。沸騰したお湯で約15~20分ゆでる。(菜箸が皮に刺さるまでゆでる)冷水につけて充分に冷やす。皮と果肉部分を分離する。(ゆでると、果肉が細長い繊維状になる)
繊維状になった果肉を冷蔵庫で冷やし、サラダに入れると、美味しくいただけます。
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