5月に植えたい野菜の定番の一つに、ナスがあります。
とても身近な野菜なのに、育て方となると少し迷ってしまいますよね。
そこで、初心者の方でも簡単に育てられるように、また、中級者の方にも「いまさら聞けない育て方のコツ」を御紹介します。
本記事を御覧いただき、おいしいナスをたくさん収穫しましょう。
目次
【ナスの育て方:良い苗の選び方】
○ 良い苗の特徴
ナスの苗に限らず、一般的な野菜や草花の苗の選び方について列挙します。
① 茎が太くて、がっちりしている。 |
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② 葉が厚くて大きい。 |
③ 葉と葉の間がつまって短い。 |
④ 葉がつやつやとして、いきいきと色も良い。 |
⑤ 虫食いのあと、病気の葉、枯れ葉が無い。 |
⑥ 根張りがよい。 |
⑦ 双葉(子葉)が付いている。 |
● 良くない苗の特徴
まさに、上に挙げた例の反対と言えますが、この他に特記すべき点を以下に示します。
➊ ポットの底穴から、根が長く伸びている。 |
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❷ 苗がポットの中で、ぐらついている。 |
❸ 接木の子葉、挿し穂の子葉(計4枚)がない。 |
市販苗の場合、できれば品種名が明示してあるものを選びたいところですが、明示していないものが多いのも事実です。
専門の種苗店であれば、品種名が明らかになる場合が多く、表示がない場合は、お尋ねになるとよいでしょう。
また、双葉の色や有無については、苗の育ち具合によって異なります。
【ナスの育て方:定植場所の準備】
耕地が深く肥沃な場所を好みます。
乾燥地を嫌います。
1度栽培した場所は、5~6年は休ませましょう。
家庭菜園の場合、限られた場所での栽培が余儀なくされます。
特に、ナス科の野菜は、ジャガイモ、トマト。ピーマンなど、家庭菜園の定番野菜が多く存在します。
そのため、「5~6年は休ませましょう」と言われても、なかなか困難ですよね。
そこで、家庭菜園では、連作障害が出にくい「接木苗」をおすすめします。
<元肥をまいて耕す>
○ 元肥
肥料名等 | 散布量(/1㎡) |
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苦土石灰 (定植2周間以上前) |
3握り(150g) |
堆肥 (以下、定植1周間前) |
3kg |
鶏フン | 300g |
化成肥料 (N:P:K=8:8:8) |
150g |
追肥 定植後2~3周間後 その後2~3周間おき |
ウネの肩部片側 化成肥料30g (両肩部にすき込む) |
* 肥料等の基礎資料は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!2 【農園芸資料】を御覧ください。
<ウネ立て>
ウネ幅は70cmの1条植えにすると、定植後の管理が容易です。
土が乾燥している場合は、灌水してからマルチを敷くとよいでしょう。
【ナスの育て方:苗の定植】
<マルチをカットする>
株間50~60cm間隔で、マルチの中央をカッターで十文字に切り込みを入れます。
<球根植え器を差し込む>
マルチの切り込み部に、球根植え器を差し込みます。
ナスの場合、差し込む深さは、定植する苗の株元がウネ面より2~3cm高くなるよう浅植えにしましょう。
なお、球根植え器の上部直径が8cmほどなら、ポリポット3号(上部直径9cm)に適合します。
<土を掘り抜く>
差し込んだ球根植え器を引き抜くと、定植部の土をスッポリ抜き取ることができます。
<液肥とHB-101の希釈水を注ぐ>
植え穴に注ぐ水に、液体肥料とHB-101を混合します。
希釈倍率は、液体肥料:約500倍、HB-101:1000倍程度です。(1ℓに1~2滴)
注ぐ水に、ちょっとした愛情を込めると、苗の活着や定植後の成長を促進させることができます。
<苗を定植する>
ポットから苗を取り出す前に、植え穴に注いだ希釈液を十分にあげておきましょう。
そうすることで、ポット内の土がまとまり、ポットから苗を取り出しても根鉢は崩れません。
そして、根鉢を崩さないように植えます。
ナスの場合は前述したとおり、株元の土がウネの表面よりも2~3cm高くなるように植えるのがコツです。
定植したら、マルチの切り口を土でふさぎます。(マルチの切り口から熱風が出て、苗を痛めます)
<苗を仮支柱に固定する>
<寒冷紗を掛ける>
苗を定植したウネに、白の寒冷紗を掛けました。
6月になるまで、気温の日較差が激しい時期です・
本来なら、ビニールトンネル内で育てたいところですが、天気に応じてビニールの裾を開閉させる手間がかかります。
平日お勤めの方には、白の寒冷紗で対応することをお勧めします。
また、定植した苗の四隅に支柱を立て、上下の端を切った肥料袋などをかぶせておく方法もあります。
【ナスの育て方:土寄せと追肥】
マルチ栽培の場合の追肥は、マルチの裾をめくっておこないます。
その点、マルチ栽培でない場合は、当然のことですがマルチ栽培の効果(地温を高める、草を防ぐ)は得られませんが、土寄せ、追肥が容易に行えます。
土寄せと追肥の後に、堆肥を株元に施しておくと地表の硬化を防ぐことができます。
【ナスの育て方:支柱の設置】
支柱立ては、野菜の枝や株を支えるためにあるのですが、基本さえおさえておけば、どんなスタイルでもいいでしょう。
ただし、被服のない金属棒は夏季に高温となるため、支柱には適しません。
家にある不要になった角材なども、十分に利用できます。
毎年、オリジナル支柱を考えるのも、作業の楽しみの一つとなりますね。
まずは、大まかな骨格を決めておき、株の成長具合を見ながら、ヒモや支柱を付け足していく方法もあるでしょう。
- 支柱は、根鉢の外側に立てる。結束は苗の方からヒモをまわし、 八の字にして支柱側でしばる。作業や収穫がしやすいように、形状を工夫する。筋交いをつけて、支柱の揺れを防ぐ。
今回の支柱は、ナスの苗を囲むように設置し、枝の張り方(仕立て方)に応じ、細い支柱やヒモを使って補正することにしました。
強い日光を浴びて育つナスのようすです。
【ナスの育て方:整枝】
ナスの整枝の仕方は、1番花(主枝)を目安に、1番花のすぐ下と、1番花のすぐ上のわき芽を伸す3本仕立てなどがあります。
家庭菜園の場合は、あまり神経質にならず、いろいろ試して、自分のスタイルを見つけることも楽しみの一つですね。
接木苗の場合、台木から出る葉やわき芽は、見つけ次第かき取りましょう。
もう30年以上前のことです。
筆者は、台木の芽をうっかり伸してしまいました。
台木の成長はとてもよく、葉には鋭いトゲも・・・。
花もたくさん咲きました。
でも、いっこうに実がつきませんでした。
「親の話と茄子の花は、無駄花がない」
そんな筆者の親の話を思い出しながら株元を見ると、接木部から伸びた台木の芽・・・。
親の話をもっとよく聞いておくべきでした。
【ナスの育て方:収穫】
天気が不安定な梅雨の季節です。
できるだけ、充実した株に育てるために、実は早めに収穫しましょう。
梅雨の季節は、野菜の健康状態に気を配りましょう。
例えば、葉の色や大きさ、葉ダニやアザミウマの有無、肥料の効き具合や水はけの状態など、いろいろですね。
まずは、株元の中耕を行い、野菜の根に空気と肥料が届くようにすることを心がけましょう。
ナスが次々に結実しています。
なかには、こんなナスも。
ナスは、切り戻しをしないで、実だけを収穫していくと、枝が四方八方に伸びてしまい、実の重みで枝が垂れ下がってしまいます。
そして、枝先になるほど実は小さくなってしまいます。
そのため、夏季に枝を切り戻す方法と、収穫の折に枝先を適宜、切り戻していく方法があります。
家庭菜園の場合は、あまり難しく考えないで、主枝から伸びたわき芽に付いた実を
一芽(わき芽の主枝側)残して、枝ごと切りとります。
切り戻し剪定をすると小さい実や、葉に隠れていた大きなナスが収穫できました。
実は大きくなりすぎぬうりに、そして剪定の際は実が小さくても、思い切って切りつめた方がその後の収穫が良くなります。
そして、残した芽が伸長し、その枝に新しい実が結実します。(以後、一芽残して繰り返す)
このように、切り戻しながら収穫していく方法があり、栽培するナスの本数や樹勢によって、いろいろな方法を試してみましょう。
失敗したっていいじゃないか、来年に生かせばいいんですから・・・・
(失敗したっていいじゃないか、にんげんだもの・・・と言うと思いましたか?)
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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