エコアールグリーンプラザ(渡良瀬グリーンプラザ)の3階に、わたらせ 川のふれあい館「せせら」があります。
無料で、これほど楽しめる施設は、なかなか他にはないでしょう。
「でも、渡良瀬ウォーターパークやサイクルランドには、行ったことあるけど、『せせら』って何?」
「グリーンプラザの3階まで、行ったことないよ」
(実は、年間5千人の来館者数を誇っているんですよ)
そんな、あなたに、渡良瀬川の「こども科学館」「せせら」を御案内いたします。
目次
- 1 【「せせら」があるエコアールグリーンプラザ】
- 2 【わたらせ川のふれあい館「せせら」】
- 2.1 <せせら・常設展示コーナー>
- 2.2 <せせら・空から見た足利のまち>
- 2.3 <せせら・公園として利用される分水路>
- 2.4 <せせら・忘れてはならない台風>
- 2.5 <せせら・地震の仕組みを知ろう>
- 2.6 <せせら・わたらせの民話>
- 2.7 <せせら・わたらせ淡水魚アルバム>
- 2.8 <せせら・わたらせピンナップシアター>
- 2.9 <せせら・わたらせ何でもボード>
- 2.10 <せせら・下野こども新聞コーナー>
- 2.11 <せせら・学習スペース>
- 2.12 <せせら・わたらせ生物観察ファイル>
- 2.13 <せせら・水とくらしのギャラリー>
- 2.14 <せせら・わたらせ情報パレット>
- 2.15 <せせら・わたらせレポート>
- 2.16 <せせら・大型スクリーン>
- 3 「せせら」の前の【じゃぶじゃぶ池】
【「せせら」があるエコアールグリーンプラザ】
渡良瀬川右岸の堤防から見た「エコアールグリーンプラザ」です。
「エコアールグリーンプラザ」へは、南堤防からアクセスできません。
田中橋か福寿大橋を経由して、岩井橋を渡ります。
「ここなら知ってるよ!」
「ウォーターパークのチケットを売っていたり、更衣室があったりするところだよね」
そうです、正解です。
* 渡良瀬ウオーターパーク:(わたらせビーチ・じゃぶじゃぶ池)
グリーンプラザの玄関を入ると、1階ロビーに自動販売機が、そして更衣室などがあります。
繰り返しになりますが、「せせら」は、この建物の3階にあります。
「ちょっと、待ってください!」
「そもそも、グリーンプラザが、どこにあるのか、わからないんですけど!」
という、お声が聞こえてきそうなので、初めてお越しになる方のために、最初から御案内しますね。
(御存じの方は、こちら、プラザ2階にスキップしてくださいね)
<エコアールグリーンプラザ:基本情報>
* 概ねの情報をお伝えします。
詳細は、公式HPで御確認ください。
所在地 | 〒326-0046 栃木県足利市岩井町 465-1 |
---|---|
電 話 | 0284-40-1787 FAX:0284-40-1788 |
会館時間 | 午前8時30分から午後5時まで |
メール問い合わせ | a-midori@mail.takauji.or.jp |
1 階 | 渡良瀬ウオーターパーク管理事務室 ロッカールーム、トイレ、シャワールーム |
2 階 | 公益財団法人 足利市みどりと文化・スポーツ財団 花とみどりの課 |
3 階 電 話 開館時間 休館日 入館料 |
わたらせ川のふれあい館 せせら (国土交通省渡良瀬川河川事務所) 0284-44-3001(3階直通)4~6月及び9~3月の平日・休日(土日祝)ともに 10:30~16:00 7~8月の平日・休日(土日祝)ともに9:30~16:45休館日:毎週月・木曜日(祝日の場合はその翌日) 年末年始(12月29日~1月3日)入館料:無料 |
交通アクセス | 東武伊勢崎線 足利市駅から徒歩25分 JR足利駅から徒歩20分北関東自動車道足利 ICから車:15分 東北自動車道佐野藤岡 ICから車:35分 |
<せせら・エコアールグリーンプラザ周辺の地図>
<足利警察署前交差点から「せせら」へ>
足利警察署前の信号機交差点を南に進むと、渡良瀬グリーンプラザ入り口の信号交差点に着きます。
プラザ入り口信号機のある十字路をさらに南、道なりに進むと、渡良瀬川の左岸堤防(上の写真)に着きます。
左岸堤防から、右岸堤防に架かる橋が、岩井橋です。(分水路)
岩井橋の途中から、左手側を見ると、エコアールグリーンプラザが見えます。
岩井橋は、分水路に架かる橋です。
橋の下に渡良瀬川は、流れていません。
渡良瀬川は、岩井山の南側を西から東へ流れています。
渡良瀬川右岸堤防から見た岩井山とせせらです。
岩井橋は、岩井山の裾までの橋で、渡良瀬川に架かっていません。
岩井橋を渡り、突き当たりを左折します。
ちなみに、右折すると岩井山になります。
岩井山に関連する記事は、
「渡良瀬橋」と「渡良瀬川」に架かる12の橋
14 渡良瀬川に架からない【岩井橋】の神社を御覧ください。
駐車場のわきに、「せせら」の案内があります。
グリーンプラザを南に回り込むと、玄関に着きます。
<「せせら」の階下にある「花と緑のサロン」>
グリーンプラザの2階には、事務室の他に、ティーチングルーム(研修室)や、サロンがあります。
マガジンラックには、『趣味の園芸』など、たくさんの雑誌や書籍が並んでいます。
コンテストに参加した個人・団体の紹介や、情報誌「みどり」などの閲覧ができます。
【わたらせ川のふれあい館「せせら」】
<せせら・常設展示コーナー>
身近な生き物たち
グリーンプラザの3階に上がり、「せせら」の入り口を入ると!
いきなり可愛い、メダカコーナーがあります。
これなら、最初から「子どもたちの心をしっかりキャッチできる」と、感心しました。
メダカについての楽しい情報で満載のコーナーには、
「キタノメダカ」「ミナミメダカ」とは?
メダカのオスとメスの見分け方
メダカは宇宙に飛び立ったことがある!?
など、いろいろなことがわかります。
メダカにそっくりな魚がいる!?
メダカは海水でも生きていける!?
大人でも、つい考えてしまうコーナーですね。
そして、「カメさんのふしぎ」で、だめおし!
カメのこうらのしくみ。
カメの大きさのはかりかた。
Q:カメって脱皮するの? ⇒ A:脱皮します!
Q:いつも水のなかにいるけど、
どうやって呼吸しているの?
カメって、脱皮するんですね! 勉強になりました。
今度は、とても危険な「ヒアリ」のコーナーです。
なかなか、いいタイミングですね。
「カメを飼ったら責任をもってそだてよう!」
「ヒアリは危険だぞ!」
生き物の多様性や、生命の大切さについて、さりげなく、しかも、ていねいに解説されています。
「ザリガニ」のひみつ
出ました!「ザリガニ」コーナー!
ザリガニは、いろいろな種類がある。
ザリガニは、カニのなかま?それともエビのなかま?
せせら・わたらせ川の石
次は、「わたらせ川の石」コーナーです。
私は、子どものころ、渡良瀬川の河原に降りて、「桜石」をよく見つけに行きました。
「桜石」は、黒い石の中に、白っぽい模様があります。
この白っぽい粒が、まるで桜の花びらのように並んだものは、特に珍しく、磨いて飾り物にするほどなんです。
大人になってわかりましたが、この白っぽい粒は、菫青石(きんせいせき)といわれている鉱物でした。
この桜石は「菫青石ホルンフェルス」といいます。
* ホルンフェルスとは?
「泥岩」などが、マグマの熱で焼かれて硬化した石です。
そして、ホルンとは、動物の角(つの)、フェルスとは岩石のことで、 密が細かく、角のように硬い石という意味です。
せせら・わたらせ川にかかる橋
「わたらせ川の橋」コーナーです。
私も、つい最近まで、「渡良瀬橋」が二つあるなんて、知りませんでした。
さっそく、日光に行って、「渡良瀬橋」と「新渡良瀬橋」を見に行きました。
日光の「渡良瀬橋」についての記事は、
渡良瀬川源流と日光「渡良瀬橋」を訪ねてを御覧ください。
足利市の「渡良瀬橋」は、「ワーレントラス橋」ですね。
<せせら・空から見た足利のまち>
窓辺の廊下には、「空から見た足利のまち」が展示されています。
思わず、窓辺から「岩井橋」と、「福寿大橋」を見ました。
足利市内の渡良瀬川に架かる橋の記事は、
「渡良瀬橋」と「渡良瀬川」に架かる12の橋を御覧ください。
窓辺には、自然を身近に感じさせてくれる「おもてなし」もありました。
3階の窓から、外の景色を眺めながら、ディオラマを見ると、周囲の様子がよくわかります。
<せせら・公園として利用される分水路>
そして、思い出すのは、カスリーン台風と、台風19号です。
<せせら・忘れてはならない台風>
74年の歳月が過ぎた、2021年9月15日、慰霊祭が行われました。
当時、私の家も、押し入れが半分、水に浸かってしまったそうです。
まだ、記憶に新しい「令和元年東日本台風」の記録です。
このコーナーには、過去に名前が付けられた台風の記録もありました。
それでは、どれほどの台風に、名前が付けられるのでしょうか?
<せせら・地震の仕組みを知ろう>
「地震の仕組み」
地震について、そのメカニズムを説明したコーナーです。
私たちの日々の暮らしの中で、自然の息吹を感じるとき、それは時として、
大きな災害をもたらすこともありますよね。
日頃からの備えが、いかに大切なことかを身にしみて感じます。
<せせら・わたらせの民話>
渡良瀬川の流域に伝えられている、民話の地図です。
全部で、15市町村にわたるこの民話集は、少し怖そうなものもありますが、どことなく、温かみが感じられるお話もありました。
ここ、足利市では、「龍神様のくれた膳と椀」という民話がありました。
昔から、利根・渡良瀬流域には、「人々の暮らしと水」との密接な関係が、よく伝えられていますね。
<せせら・足利の民話のあらすじ>
渡良瀬川は、毎年のように大洪水をおこす「あばれ川」でした。
ある日のこと、洪水によって、神様にお供えするための「お膳とお椀」を流してしまい、村人は困っていました。
渡良瀬川には、乙姫様や、龍神様のいる竜宮にまで続く、底知れぬ「竜宮の淵」がありました。
村人たちは、龍神様にお願いして、膳と椀を借りました。
ある日、欲深な男がいて、膳と椀を龍神様に返さなかったことで、再び大洪水が起きました。
しかし、それ以来、龍神様は二度と、膳と椀を貸してくれることはなかったそうです。
* 神様への御供え:足利總社といわれる緑町の八雲神社(天王さま)の祭礼で使う祭具。
<せせら・竜宮の淵と神社>
この民話は、今の足利市八幡町の「八幡神社」の近くが、「竜宮の淵」と言われていたころのお話です。
渡良瀬川の昔のお話です。
渡良瀬川は、かつて太日川(ふといかわ)と呼ばれ、1000年前は、現在のルートとは違うところを流れていました。
『堀込のよもやまばなし』堀込の歴史を探る会 復刻版 2018. 「関連年表」p.192によると、応仁元年(1467頃)渡良瀬川の流域が変わり始め、中川~八幡~西新井~堀込~藤本に流れていたが、永禄2年(1558頃)岩井山の方向へ流れが変化しました。
太日川は、足利市の対岸から「矢場川」を通り、古河市の西部で「合ノ川」という川に連なり、現在の「江戸川」の川筋を通って、東京湾に直接注いでいたのです。
八幡神社の境内にある神社です。
さっそく、「竜宮の淵」について、下野国一社八幡宮総代 (二十八代 忠左衛門)様にお尋ねすることができました。
総代様によると、「八幡神社の東方に、龍神様にまつわる場所がある」とのことでした。
また、『足利の伝説』によると、昔は八幡神社の前を小さな川が東に流れていたそうです。
川は、陣川橋の先で南からの流れに合流し、明神山の北西に突き当たって、ゆるやかなカーブをえがいていました。
足利の伝説 (1971), 台 一雄 第四十一話白鞍ヶ淵 ・・淵の底は竜宮に・・(八幡町)pp.148-151
この合流点が、淵になっており「白鞍ヶ淵」と呼ばれ、その底は竜宮に続いていると言い伝えられていたとのことでした。
明神山の北西に立てられた「史跡 明神山古墳群」の由緒書です。
明神山の北西から、八幡山(八幡宮)を望む風景です。
「瑪瑙製勾玉」(めのうせいまがたま)明神山1号墳・10号墳出土(朝倉町)
古墳時代後期(6世紀後半)「金銅環」(こんどうかん)明神山1号墳出土(朝倉町)古墳時代後期(6世紀後半)
足利市郷土資料室 足利市教育委員会 文化課 より
古地図によると、白鞍ヶ淵はこの周辺にあったと言えるでしょう。(埋め立てられました)
たしかに、この周辺の道路は雨が降ると冠水しやすく、現在でも地表が低いことを示しています。
昔の「竜宮の淵」・・・なんとなくいい感じのスポット!神様にお供えするための「お膳とお椀」・・・この神様とは、緑町の天王様といい、現在の「總社 八雲神社」の神様です。
總社 八雲神社(緑町):御朱印
そう言えば、お隣の「浅間神社」では、渡良瀬川の洪水による疫病から、子どもを守るために始まったという「ペタンコ祭り」が、現在でも行われていますね。
霊験あらたかな御朱印をいただきました。
* 浅間神社「ペタンコ祭り」については、
「渡良瀬橋と歌碑・浅間山」ハイキングコース
3 ●<女浅間山前>⇔<女浅間神社>を御覧ください。
<せせら・わたらせ淡水魚アルバム>
「せせら」のインフォメーションから入ると、子どもも、大人も「くぎ付け」になるスポット、「わたらせ淡水魚アルバム」があります。
水槽の周りのデザインが、アルバムになっていますね。
「ミニ水族館」とは言っても、大きな水槽が二つもあり、渡良瀬川の代表的な魚が泳いでいました。
はい、それでは、クイズです!
さっきから、水槽の前で「くぎ付け」になっている釣り好きのお父さん!
Q:イワナは歩ける? それとも、歩けない?
私も、普段、「ボーと生きてました」正解は、「歩ける」です。
イワナは、水から飛び出ると、ヒレを上手に動かして、移動するそうです。
渓流の魚って、神秘的ですよね。
「ウグイ」の名前は?
鳥の鵜(う)がよく食べるから?
よく釣れる魚です。
地元足利では、「ハヤ」と呼んでいます。
毎年「せせら」では、サケの受精卵の配布と、稚魚の放流を行っています。
卵の孵化から成長までの様子が、とてもわかりやすくまとめられていました。
今年は、2月14日に放流が行われたそうです。
皆さん、とてもよい体験をしていますね。
きっと、オホーツク海から、渡良瀬川に戻ってくるでしょう。
<せせら・わたらせピンナップシアター>
渡良瀬川のことがよくわかる映画をタッチパネルで、自由に選んで見ることができます。
<せせら・シアターの内容がリニューアル>
このほど、「渡良瀬川について」のシアターが、小学校低学年向け、高学年向けの2本立で公開されています。
「渡良瀬川について」は、渡良瀬川のなりたち(源流)、歴史、施設・設備などについて、わかりやすく解説されています。
<せせら・わたらせ何でもボード>
昔、「田中橋」は有料橋でした。
橋の料金所が、なつかしく思い出されました。
このコーナーでは、渡良瀬川を中心とした歴史を年表と写真で、わかりやすく説明されています。
<せせら・下野こども新聞コーナー>
せせらと下野新聞社によるコラボレーションとしての「下野こども新聞」コーナーも新設されました。
新聞の閲覧も、自由です。読みたい人は、とっても、やさしくて親切なお姉さんスタッフに
お願いしてね。
<せせら・学習スペース>
2022.4月から新設されたひとつに、せせら・学習スペースがあります。
今まで、そしてこれから、自由研究や調べ学習で訪れる皆さんが、より便利に活用できるようにと新たに設けられたスペースとなっています。
岩井分水路や遠くの街並を臨む、素敵なロケーションです。
<せせら・わたらせ生物観察ファイル>
このコーナーでは、わたらせ川と、そのまわりにくらす、さまざまな生き物が紹介されています。
幼い頃、昆虫採集に夢中だったことが、なつかしく思い出されました。
<せせら・水とくらしのギャラリー>
ゲーム感覚で楽しく学べる「体験型装置」が、いくつも設置されています。
そして、人と自然について深く考察する貴重な機会となるコーナーです。
雨を測る理由や降水量についての説明文や、雨量計(転倒ます雨量計)が展示されています。
* 転倒ます雨量計:「ししおどし」の原理で、ます1回の転倒で、1mを示します。
<せせら・わたらせ情報パレット>
渡良瀬川に関するクイズが、モニターから出題されます。
クイズに挑戦して、渡良瀬川の「ものしり博士」になろう。
「お父さん、お母さんも、ガンバ!」(古いかけ声ですみません)
<せせら・わたらせレポート>
大雨の原因となる「線状降水帯」の仕組みや、豪雨の記録が示されています。
また、令和元年東日本台風の記録や、防災訓練のレポートも記されていました。
<せせら・大型スクリーン>
砂防えん堤を映し出しています。
最後になってしまいましたが、令和3年度の「せせら」企画展のテーマです。
【次の世代への贈り物】
~命をまもる土木のちから~
土木の大切さが、身にしみて体験できました。
「せせら」での体験の余韻がさめぬなか、グリーンプラザを後にしました。
グリーンプラザにあるビオトープには、秋の訪れを感じさせるハスがありました。
「せせら」の前の【じゃぶじゃぶ池】
+ ウオーターパークとは、 有料の「わたらせビーチ」と、無料の「じゃぶじゃぶ池」の総称です。
グリーンプラザを出て、「福寿大橋」をくぐると「じゃぶじゃぶ池」に着きます。
いつもは、たくさんの子どもたちが遊ぶ「じゃぶじゃぶ池」ですが、今年度は、閉園されています。
閑散とした土曜日の昼下がり、どこからかドラムをたたく音が聞こえてきました。
ドラムのリズムが、心地よく響いていました。
そして、とても親切だった「せせら」のスタッフさんと、ドラムのお兄さんに感謝しつつ、家路につきました。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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