野外活動

足利「御庭守之印」:物外軒・新藤氏庭園・浄土庭園・巌華園

御庭守之印:浄土庭園の写真です。

日本古来の庭園を継承・保存に取り組む市民グループ「足利庭園文化研究会」により、「御庭守之印おにわもりのいん」と命名された「庭園朱印」が作成されました。

「御庭守之印」は、市内の4庭園で限定販売されましたが、2日間の特別公開とあって、御覧になれなかった方も多かったのではないでしょうか。

そこで本稿では、このほど特別公開された2庭園を含む4庭園を御紹介します。

そして、来たるべき次回の公開日のために、皆様が御来園いただく際の御参考となれば幸いです。

【足利「御庭守之印」:4庭園】

足利の庭園特別公開パンフレットの写真です。足利の庭園特別公開パンフレット

公開日:令和4年11月19日(土)・20日(日)【御庭守之印】一律500円
限定数量:各庭園一日50枚

庭園名 所 在 地 令和4年公開時間等 公 開
物外軒庭園 足利市通6丁目 公開/午前9時~午後4時
朱印受付/午前10時~午後3時
新藤氏庭園 足利市山下町 公開/午前10時~午後3時
朱印受付/午前10時~午後3時
特別公開
樺崎寺跡浄土庭園 足利樺崎町1723 公開/常時公開
朱印受付/午前10時~午後3時
巌華園 足利市月谷町8-1 公開/午前10時~午後3時
朱印受付/午前10時~午後3時
特別公開

【足利「御庭守之印」:物外軒】

物外軒:秋の庭園の写真です。物外軒:秋の庭園

 

物外軒:足利御庭守之印の写真です。足利御庭守之印:物外軒

<物外軒:基本情報> 

物外軒の門の写真です。物外軒北門(参観入口)

 

名 称 物外軒庭園(国指定文化財)
ふりがな ぶつがいけんていえん
登録記念物 名勝地関係
登録年月日 平成20年(2008)3月28日
所在地 〒326-1814
足利市通6丁目3165番地
(織姫公民館北側)
電 話 0284-20-2230(市文化課)
公開日 4・5・10・11月の土・日曜日
祝日、6月第2日曜日
令和2年度・3年度:土曜日公開中止
公開時間 午前9時~午後4時
参観料 無料
アクセス JR両毛線足利駅:徒歩19分
東武伊勢崎線足利市駅:徒歩20分
北関東自動車道足利IC:15分
駐車場
無 料
さいこうふれあいセンター(写真)
織姫公民館
織姫観光駐車場
+おすすめ:さいこうふれあいセンター
その他 物外軒茶室は、お茶会など年間を通して
使用できます。(受付:市文化課)
使用料:11,000円(税込)
*年末年始(12月28日~1月4日)は
 除きます。

物外軒周辺地図は、こちらです。

<物外軒:名前の由来>

茶室「物外軒」を建てた長 四郎三は、号を物外軒、又は白翁といい、
茶室もこの号に因んで名付けられました。

物外とは、禅のことばで、世間の事物を超越した絶対の境界をいいます。

出典: 長 太三 著 「物外軒雑記」より

<物外軒:庭園と茶室> 

物外軒庭園の鶴島と亀島の写真です。庭園の鶴島と亀島

 

物外軒の外観の写真です。茶室

 

物外軒:秋の庭園から見た茶室の写真です。秋の庭園から見た茶室

 

物外軒:夕刻の居室の写真です。夕刻の居室

 

物外軒庭園の池の写真です。庭園の池

 

物外軒の詳細は、
足利文化財「物外軒(ぶつがいけん)茶室・庭園」無料公開の御案内を御覧ください。

【足利「御庭守之印」:新藤氏庭園】

新藤氏庭園の写真です。新藤氏庭園

 

御庭守之印:新藤氏庭園の写真です。御庭守之印:新藤氏庭園

<新藤氏庭園:基本情報> 

 名 称 新藤氏庭園
ふりがな しんどうしていえん
登録記念物 名勝地関係
時 代 明治末期
面 積 3630.29㎡
登録年月日 平成28年(2016)3月1日
所在地 〒326-0846
足利市山下町1281
(スポーツクラブ山前付近)
電 話 0284-20-2230(市文化課)
公開日 非公開
公開時間 特別公開による
参観料 無料
アクセス JR両毛線山前駅:徒歩10分
東武伊勢崎線野州山辺駅:徒歩56分
駐車場
無 料
新藤氏庭園東側

新藤氏庭園の周辺地図は、こちらです。

<新藤氏庭園:庭園の成り立ち>

新藤氏庭園は、足利市の西部の山下町字春日岡の台地の南麓に位置する庭園です。

新藤家は、分家した初代理一郎(1834-1910)が現在地を住まいとし、2代目陸十郎ちかじゅうろう(1860-1932)が織物業と金融業を営み、財を成しました。

家業が最盛期だった明治末期、陸十郎は父理一郎のために離れを建築しました。

この時、主屋の前庭を造り替えたものが現在の庭園です。

庭園の意匠は華道の家元であった理一郎の趣味が反映されたものと思われます。

新藤氏庭園パンフレット より

<新藤氏庭園:庭園と離れ>

新藤氏庭園:2階建ての離れの写真です。2階建ての離れ

台地の上に建つ2階建ての離れです。

離れが建つ上段部と園池のある下段部とは、大きな高低差があり、以前は、3段の滝口が組まれた3mの滝が流れていました。

新藤氏庭園:高低差がある庭園の写真です。高低差がある庭園

高低差約5mの敷地が生かされています。

新藤氏庭園:離れの部屋の写真です。離れの部屋

離れには居心地のいい、すばらしい部屋があります。

新藤氏庭園:離れの部屋の写真です。 新藤氏庭園:離れの部屋の写真です。 新藤氏庭園:離れの部屋の写真です。
新藤氏庭園:離れの縁側から見る庭園の写真です。離れの縁側から見る庭園

 

新藤氏庭園:離れの縁側から見る庭園の写真です。
新藤氏庭園:十二支が彫られた燈籠の写真です。十二支が彫られた燈籠

 

新藤氏庭園:離れから出て見る庭園の写真です。
新藤氏庭園:庭から見た離れの写真です。
庭園から見た離れ

 

新藤氏庭園:四阿の写真です。四阿

 

新藤氏庭園:四阿の写真です。
離れから庭園に出て、台地の上段から下段へ降り、再び下段から上段へ進むと、庭景がさまざまに変化します。

離れからは、まさに垂直方向に見る景観、地形を最大限に生かした迫力ある庭園となっています。

新藤氏庭園:離れから出て見る庭園の写真です。眼下に見る庭園

【足利「御庭守之印」:史跡樺崎寺跡・浄土庭園】

樺崎寺:浄土庭園の写真です。樺崎寺跡:浄土庭園

 

御庭守之印:浄土庭園の写真です。御庭守之印:樺崎寺跡・浄土庭園

<史跡樺崎寺跡・浄土庭園:基本情報> 

 名 称 史跡樺崎寺跡(法界寺跡)
浄土庭園
ふりがな しせきかばさきでらあと
(ほうかいじあと)
じょうどていえん
登録記念物 史跡
時 代 中世
登録年月日 平成13年(2001)1月19日
所在地 〒326-0004
足利市樺崎町1261
電 話 0284-20-2230(市文化課)
公開日 常時公開
公開時間 常時公開
参観料 無料
アクセス JR両毛線足利駅:車15分
東武伊勢崎線足利市駅:車20分
北関東自動車道足利IC:車3分
駐車場
無 料
樺崎八幡宮前

浄土庭園の周辺地図は、こちらです。

<樺崎寺跡・浄土庭園:歴史>

史跡樺崎寺跡は中世を代表とする豪族武士団足利氏の氏寺跡・廟所跡です。

浄土庭園をもつ中世寺院の遺跡であり、足利市北東の山間地、樺崎の谷に位置します。

史跡樺崎寺跡(法界寺跡)パンフレット より

<樺崎寺跡・浄土庭園>

樺崎寺跡・浄土庭園の写真です。
樺崎寺は足利義兼よしかねによって創建されました、

鎌倉時代初期の浄土庭園をもつ寺院として、貴重なことから平成21年度より保存整備2期工事が進められています。

樺崎寺跡・浄土庭園の写真です。
浄土庭園の周囲には遊歩道があり、ベンチも設置されています。

樺崎寺跡・浄土庭園の写真です。
浄土庭園から八幡山を望む風景です。

樺崎寺跡・浄土庭園の写真です。

浄土庭園を一望できる場所は、樺崎八幡宮の参道を上り、社殿右側にある樺崎寺跡にあります。

樺崎八幡宮の写真です。樺崎八幡宮

 

樺崎八幡宮の手水舎の写真です。樺崎八幡宮の手水舎

樺崎八幡宮参道前の手水舎です。

樺崎八幡宮の参道の写真です。樺崎八幡宮の参道

 

樺崎八幡宮の社殿ぼ写真です。樺崎八幡宮の社殿

社殿の右手側に、樺崎寺跡があります。

建物す礎石跡の写真です。建物礎石跡

 

建物礎石跡の説明板の写真です。多宝塔跡の説明板

 

樺崎寺跡から見る浄土庭園の写真です。樺崎寺跡から見る浄土庭園

 

樺崎寺跡から見る浄土庭園の写真です。
樺崎寺跡からは、浄土庭園がよく見えます。

鎌倉公方の足利時代が、樺崎寺を再整備した当時の復元を目指して、保存事業が進められています。

樺崎寺のジオラマの写真です。樺崎寺ジオラマ:150分の1サイズ

山元 日出夫 氏制作 足利商工会議所(足利市通3)「友愛会館」ギャラリー・カッサ

【足利「御庭守之印」:巌華園】

巌華園の門の写真です。巌華園の表門

 

御庭守之印:巌華園の写真です。御庭守之印:巌華園

<巌華園庭園:基本情報> 

 名 称 巌華園
ふりがな がんかえん
登録記念物 名勝地関係
登録年月日 平成19年(2007)2月6日
所在地 〒326-0068
足利市月谷町8-1
電 話 0284-41-2338(代表)
FAX 0284-42-9204
公開日 非公開
公開時間 特別公開による
参観料 無料
アクセス JR両毛線足利駅:車8分
東武伊勢崎線足利市駅:車10分
北関東自動車道足利IC:車5分
駐車場
無 料
あり:60台
その他 ご宿泊・ご会食は、要予約です。

巌華園の周辺地図は、こちらです。

<巌華園庭園:概要>

[江戸末期]もともとあった岩を利用し、岩盤削り出しの園池とその上の斜面全体に岩を積み上げるなど、全体的に岩を強調した庭園です。

「瀬田の唐橋」や「唐崎の松」、「堅田の落雁」、「石山寺」、「比良の暮雪」など、庭園内には随所に近江八景を模したとされる景があります。

巌華園【月谷町】パンフレット より

<巌華園:庭園>

巌華園:表門の写真です。表門[明治中期]

木造平屋、切妻和瓦葺、三間一戸の腕木門うでぎもん

規模6間×1間半。親柱間8尺8寸、袖壁4尺7寸。

巌華園:表門の扁額の写真です。表門の扁額

巌華園という名は、この地の字名「岩花」の「岩(巌)」に渡辺崋山が自らの「華」を掛けて命名したと伝えられています。

江戸末期には渡辺崋山をはじめ、高野長英などの文人墨客の往来逗留があり、明治から昭和初期にかけては東京の文化人とのサロン的な役割を担いました。

戦後、社交娯楽部として巌華園娯楽部を発足し、その後旅荘巌華園として現在に至ります。

これまで檀一雄・坂口安吾・武田泰淳のほか、近年では内館牧子・童門冬二・田辺聖子など多くの作家が逗留し、数々の作品を執筆しています。

  • [建造物]:平成17年2月9日 国登録有形文化財]
    [庭 園]:(上表参照)

巌華園【月谷町】パンフレット より

巌華園:主屋の写真です。主屋

 

巌華園:庭園の写真です。庭園

 

巌華園:庭園の写真です。 巌華園:庭園の写真です。 巌華園:庭園の写真です。

【足利庭園文化研究会】

足利庭園文化研究会代表の写真です。足利庭園文化研究会代表:外丸 実さん

足利庭園文化協会は、足利市内の貴重な庭園文化を後世に伝えることを目的として、平成21年(2009)春に設立されました。

そして今回、日本古来の庭園を継承・保存に取り組む市民グループ「足利庭園文化研究会」により、「御庭守之印おにわもりのいん」:「庭園朱印」が作成されました。

【足利「御庭守之印」:朱印の制作】

高校生ボランティアの写真です。高校生ボランティア

このほど「御庭守之印」をデザインした県立足利工高デザイン科のみなさんです。

庭園公開日には、ボランティアとしても活躍しました。

最後になり恐縮ですが、「御庭守之印」の名称は、庭園研究で知られる造園学者、京都芸術大学の尼崎博正あまさきひろまさ教授により命名されました。

とても親しみ深い名前で、足利市民はもちろん、全国の皆様に愛される「朱印」となるでしょう。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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